JR東日本に事故対策はあるのか?
6月22日金曜、JR東日本宇都宮線と高崎線の埼玉県内の架線が切れたことで、この2線および京浜東北線、湘南新宿ラインなどほぼ全線が運行を見合わせた。これにより沿線の東京都・神奈川県と広域で鉄道幹線が止まり、復旧に6時間以上を要した。
公共交通機関に求められる役割は、何よりも「安全な輸送」、そして「予定通りの運行」であろう。安全運行は必須であるが、人々の足としては、「予定通り」に運行することも求められる。
今回の事故で、JR東日本は、たった「架線が1本切れた」だけで、社会から求められる役割をまっとうできない場合がある、という脆弱性を露呈してしまった。
日本経済新聞13版43ページによれば、この事故の原因は人災であったようだ。列車が赤信号で停止する際、停止位置を間違えたことに端を発しているという。高崎線の上り電車の運転士が、停止位置の約70メートル手前で誤って電車を止め、電車最後尾にある、架線から電力を受けるパンタグラフが「エアセクション」と呼ばれる架線と架線の継ぎ目で接触した際、火花が飛んで架線が溶けて切れたというのだ。
確かに事故の原因は人災だったかもしれない。だが、安全対策を考える時、「人間は間違えるもの」として対策をとることは常識だ。
JRは、「架線が切れたらどうするか」という対策として、「全部の電車を止めてしまう」というネガティブな対応しか持ち合わせていなかった。これは、厳しい言い方をすれば、対策はなかったと言うことである。航空・鉄道事故調査委員会の統計では、「架線が切れる」という事故は前例があまりないようで、そのために対策もなかったのかもしれない。国土交通省が警告を発していることもあり、今後対策が立てられることになろう。
前述したように事故対策として最低限求められるのは、「安全と定時運行の確保」だ。その意味では、「架線が切れたら全部止める」という対策は間違っているとはいえない。
だが、今回の事故の場合、求められている対策は、「架線が切れないようにする」「切れても運行に支障がないようにする」ことであろう。
「架線が切れないようにする」には、今回の直接原因となった、停車してはいけないエアセクション区間をなくす、短くするなどの方策が考えられる。
「切れても運行に支障がないようにする」には、「もう1本架線を引く」「迂回(うかい)路線を設定する」「並行する他線の定時運行を確保する」などの方法が考えられる。
無論、私は鉄道の専門家ではない。これらのいずれの案も素人考えである。JR東日本は、専門技術と組織力で、次回からは「架線が切れても定時運行でした」なんてニュースが聞けるようにしてほしい。
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